Archive for 2010

「最後の晩餐」と世界一かわいそうな絵。

前半のミラノの目的は、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」です。銀座かねまつのディスプレイ(2001年)でもモチーフにしているし、自分の作品でも引用したものがあるのですが、今回やっと本物を見ることができました。
「最後の晩餐」はサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の元食堂だった長方形の部屋のひとつの壁全体に描かれた、横巾9メートルにおよぶ壁画です。この部屋には順番に25名ずつくらい、15分間だけ入れます。
美術でも作品によっては「本物はやはりいい」とは限らず、例えばマネの作品を以前パリで見たときなど、正直がっかりしたものですが、「最後の晩餐」はその素晴らしさに唖然とするほどでした。特に全体と細部との調和。画集などではかなりじっくり見て知っているつもりだったのですが、露骨に印象が違うので戸惑いました。
人物の配置や「ダ・ヴィンチ・コード」などで語られる謎めいた部分よりも、テーブル上の食器やパン、あるいは窓の外の風景といったいわば脇役が、目が離せないくらい美しく、少し大げさに言えば、人物たちを取り巻くそれらの細部に神が宿っている、というような印象でした。
ところで、「最後の晩餐」が描かれている壁の真反対には、もうひとつの壁画が描かれています。ドナト・モントルファーノという画家の「キリストの磔刑」です。しかしながら、拝観時間がわずか15分ということもあって、部屋にはこの二つしか作品がないというのに、モントルファーノの絵を見る人など誰一人いません。出口近くの壁全面に描かれているので、皆その前を通るのですが、目に焼き付けた「最後の晩餐」のイメージを汚されたくないとでもいうように、立ち止まることはおろか、ほとんど目もくれずにこの部屋を出て行くのです。
「最後の晩餐」が世界一有名な絵だとすれば、こちらは世界一気の毒な絵としか言いようがありません。私は密かにこの壁画に「モントルファーノの悲劇」という別題をつけました(笑)。

イタリアに行ってきました。

8月末から9月の頭にイタリアに行ってきました。イタリア旅行はたしか4回目ですが十数年ぶり。一日だけ雨が降りましたが、あとは素晴らしいほどの快晴。最高気温28度くらいで湿度も低いので、どんなに歩き回っても汗ひとつかかず、猛暑高湿の日本を抜け出してのいい避暑旅行になりました。
今回は前半ミラノで後半がアルベロベロ。南イタリアを訪れるのはアルベロベロが初めてで、ミラノに比べたらさすがに暑いのかなと思っていたのですが、なんと夜になるとジャケットを着ても少し寒いくらいで驚きました。

10月から「銀座かねまつ」新シリーズ。

いま展示している「Harvest」で銀座かねまつの1年間のショーウィンドウが終わります。先日、ディスプレイコンペに参加し、次の1年間もARTLAB+が担当させていただくことになりました。まだ内容はヒミツですが、ARTLAB+らしい作品をお披露目できそうです。10月からの新シリーズにもご期待ください!

メグさん、ありがとう。

まえにブログで紹介した名古屋栄の小料理屋さん「つくし」は、大将と女将と「串焼きのメグ」さんの3人でやっていたのですが、メグさんが7月31日で「つくし」を卒業しました。名古屋には行けなかったけど、最後の日に電話でお話しできてよかったです。いままでありがとうございました!
7月末は、大将が胃腸炎で入院(!)してたとのこと。大変だったと思いますが、9日の夜にまたご飯食べにいきますので、よろしくです。

忘れもの王。

私は知る人ぞ知る「忘れもの王」です。
数日前も大学の授業のあと、大学の身分証を教室に忘れたらしく、職員の方から電話で、身分証をあずかっていると連絡をもらったのですが、そのあとどこで預かっているのか自体も忘れてしまい、その日は見つけられずじまい。今日また大学があったので、電話して聞こうと思ったら、今度は携帯を忘れていました。結局身分証は無事出てきたのですが、とにかく自分に呆れます。
カバンなどはもうしょっちゅうで、たった今まで持っていたはずのカバンがイリュージョンのように消えてなくなり、手ぶらで街中を歩いていたりします。SUICAを忘れて切符など買おうものなら、改札を出るときにまともに出てきたためしがなく、あらゆるポケットや財布を探すと「おお、いつの間にこんなところに!」というような、予想だにせぬ場所から姿を現すのです。
忘れ物については、小さい頃から親にも先生にもいつも叱られていて、これはもう不治の病といっても過言ではありません。そんな話を、大学で他の先生にしたところ大笑いされて、「それは集中力がある証拠ですよ。集中力のある人は忘れ物をするんです。」とありがたいお褒めの言葉をいただきました。そうか、いいことだったのかー。 これからもポジティブに生きていく決意を固めました。